2024 年 4 月 28 日

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引力

物理の話をしようというわけではない。

私が今いる職場では、退職者の方が定期的に出る。どうなるのか、書きたい。

まず、その方たちが退職する際に、沢山の方が惜しむ。引き継ぎなどが行われる。

退職が近くなると、飲み会を行うのが通例である。コロナ禍ではなかなかできなかったものの、できる限り盛大に送り出す。通常、その方の好きな食べ物を注文し、食べることになる。

最後の挨拶では、心を込めてお見送りし、お互いのこれからの活躍を祈る。残るメンバーは去るメンバーの更なる成功を願い、去るメンバーは残るメンバーの会社の発展を願う。

退職者が退職すると、そこで終わりというわけではない。たいてい SNS でつながり、近況を伝えられる。私は Facebook をやっていない1が、そちらでは特に活発にネットワークが形成される。

退職者の方がご栄転なさった先で活躍していることが明らかになると、議題にあがり、皆で喜ぶ。「すばらしい」「めでたい」「やったな」と。

残った人たちも、時折、去った方を思い出す。「〇〇さんなら、こうする」などと、自然と話題になる。退職後も頻繁に話題になる人は、やがて、レジェンドとして尊敬されるようになる。

私はもっぱら、複数人の退職者・離任者を送り出してきた側であるが、その全員が、以上のような取り扱いを受けている。私が現職に就いて観測して以降、今のところ、 1 人も例外なく、全員が、こうである。

他の部署の方に聞いても、部署に関係なく、こんな感じだと聞く。素晴らしい組織だと思う。

退職者の方も、古巣のことを、優れた場所だった、成功してほしいという。結果、古巣の社員と会ったときには、親切にしてくださる。私も、事あるごとに、この恩恵に預かっている。

去るものに「引力」が働くような業界で、晴れやかな気持ちで日々研究ができることは、幸せだと感じている。

  1. 前も書いたが、私にとって Facebook は、職業柄、やりづらいものである。私のまわりも Facebook だけやっていない人も多い。エンジニアの方はやっている傾向にある。