『魔法使いの夜』の感想
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先日『魔法使いの夜』をクリアした。朝の 30 分程度で、感想を書く。ネタバレなし。
ボイスについて
司法試験対策の指導を長年やってきた柴田先生は、初めて学ぶ内容は耳で聞くのが一番わかり易い(例えばこの本)と話す。今回発売された『魔法使いの夜』には、ボイスがついている。本編も番外編エピソードも、非常にわかりやすかった。いつも『Fate/Grand Order』をやっているときは、ストーリーが途中でわからなくなったり、疲れて読み飛ばしてしまうことがある。『魔法使いの夜』は、最後まで中身を堪能できた。
ボイスがあることで、本編が終わったあとのエピソードにおいて、ヒントが先んじて提示されてしまう。これは、数少ない弊害であるといえよう。しかし、私は直感があまり働かない。真相にたどり着いた段階で「そういうことか」とわかった。弊害と書いたものの、実害はなかった。
演出について
家庭用ゲームまたは PC ゲームだけあって、演出は抜群に凝っていた。演出はストーリーをさらにわかりやすくしていた。
まほよをクリアしてから FGO の Lostbelt No.7 をやった。これも特殊演出がたくさん用いられていた。しかし、まほよのほうが、ずっと豊かな表現にあふれていた。これは、両方をプレイした人なら、ほとんど全員が同意するのではなかろうか。
補足すると、 FGO も、ボイスをつけて、まほよ・月姫の演出ができればいいというのは、それはそうである。しかし、スマートデバイス向けゲームなので、定期的なリリースのほうが優先される。だから、目的の違いである。
2D のノベルゲーには、独特の魅力がある。私にとっては、 3D ゲームをプレイして酔いそうになっているときに、ちょうど一服をつけるジャンルと言える。
内容について
内容は、もちろん、面白かった。満足度が高い。これは連作の第 1 作であるという。続編が出るならばそれに越したことはない。しかし、果たして、現状の奈須さんや TYPE-MOON の作業量で、まほよに着手してくれるだろうか。
本編では、魔術師同士のバトルが続く。恋愛の要素は殆どなく、学校生活らしい描写もあまりなかった。選択肢もなく、短編といえる。
英語について
英語の字幕がついていた。しかし、英語は完全には読めなかった。 1 ページに 1 単語以上のペースで、わからない単語が出てきていた。英検 1 級程度の語彙では足りない。奈須さんの原文である日本語でやるのが一番だろう。
特典について
PS4 版のデジタルデラックス版を購入した。最近は、ディスクの入れ替えや保管をしたくないので、 Switch も PS5 も Xbox Series も、全部 DL 版を買っている。特に今回は、各販売店にめぼしい特典もなかったので、デジタルデラックス版を購入することに迷いはなかった。
ゆえに、クリア後に、特典の設定本を PS5 で読むことになった。しかし、リモートプレイで iPad Pro で読めたので、実はかなり快適であった。ほとんど電子書籍と同様の感覚で読めた。
こんな感じならば、今後も、特典の冊子は電子版でよさそうだと思い始めてきている。
余談: 月姫リメイクとまほよ、今後どちらを先にやるべきか
月姫リメイク前編(以下、単に月姫という)とまほよをどちらも未プレイの方で、これからやることを検討している場合を考察する。こだわりがなければ、まず前者をやってはどうかと、私は推奨する。
どちらも、圧巻の演出と良質なシナリオ、そして心のこもったボイスが光る。どちらも未完であることも共通している。質の側面では、甲乙がつけがたい。
ただし、分量は、月姫のほうが多い。まほよの 2 倍くらいはあるのではないか。リリース時期の差で、月姫のほうが安価に入手できることも見込まれる。特に、 DL 版のセールは今後も開催されるだろう。まほよはまほよで質が高い。月姫の価格を今後逆転することは、近い将来にはなさそうだという予想が、少なくとも私の中ではある。また、今後、完結が先になりそうなものは、後編の制作が明示されている月姫のほうであろう。何年後かはともかく。
補足をすると、留意事項として、前者は殺傷表現で CERO-Z であり、後者は CERO-C である。 CERO-Z の猟奇表現が苦手な人は、まほよだけをやるほうが安全である。