休暇中に月姫をやった話
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休暇中に『月姫』をやった。平日より休暇中のほうがずっと大変だった理由を述べる。
ここでの『月姫』は、『月姫 -A piece of blue glass moon-』のことである。おそらく数年後に発売されるであろう後編とは異なる。
警告
表現についての警告
『月姫』は CERO-Z の指定(暴力・犯罪アイコンでの区分)を受けているゲームである。猟奇的な表現、不快感を与える可能性がある表現が多数存在する。 以下では、このようなゲームの内容に触れる。
ネタバレについての警告
以下では、 必要であれば、『月姫』のネタバレに、配慮せずに触れている。
『月姫』については、発売 2 週間はインターネットを含めたネタバレ禁止期間とアナウンスされていた。『月姫』のネタバレを踏んで困る熱心な層は、たいていこの期間にプレイを完了しているはずである。もししていないにしても、この記事を読もうとはせず、まずプレイするはずである。であるから、私はこの記事を、『月姫』のネタバレに配慮せずに記述する。
補足
今見直している限り、表現についてもネタバレについても、問題点はほとんどないに等しいように思える。だがそれでも、このようなことでトラブルになりそうな方にはこの場で立ち去ってもらうことに越したことはない。よって、以上を警告する。
なお、この記事は、月姫の内容について触れているものの、それが主題ではない。 平日より休暇中のほうがずっと大変だった理由を述べる ものである。
休暇が平日より大変だった理由
「休暇中、『月姫』をプレイしたのだが、大変だった。平日を過ごすほうが、ずっと簡単だと思った」
こういうと、たいてい面白がられる。しかし、人によって理解度に差があることに気がついた。人によっては、リメイク前の『月姫』をよく知っているから、内容が大変だと推測できるし、オンライン PC ゲームが好きなら、ゲームをやるのは基本的に労力かかるものだと知っているだろう。私の言葉で、理由を整理しておきたい。
工夫しても時間がかかる
『月姫』はノベルゲームである。文章を読み、音声を聞き、絵を見る。文章を読むことによりはじめて、先に進むことができる。休暇中、ひたすら努力することが求められる。工夫もできないことはないものの、工夫が重要ではなく、 忍耐、計画性、そして、進捗の自己管理 が重要である。
私はもう若くないので、タイマーを使いながら 1 インターバルのプレイ時間を制限しながら休憩をはさんでいた。目薬も定期的に注していた。極度の運動不足にならないよう、外出もしていた。
クリアまでに時間制限がある
『月姫』には 3 つエンディングが用意されている。最後のシエル先輩ルート true end に至るまでのプレイ時間は 40 時間から 60 時間とされている。私自身は 50 時間程度でクリアした。これを 10 日でやったことになる。
「休暇が 10 日もある」ではない。「クリアまでにあと 10 日しかない」と思いながら、日々減る残り日数を見ながら、進める のである。こんなの平日より大変に決まっている。私は職業柄、デスマというやつを経験したことがないが、「多分こういう気持ちになりながらエンジニアリングをすることを指すのかな」と思いながら『月姫』をプレイしていた。
物量が非常に多い
エンディングに至るまでに、多くの bad end を見なくてはならない。月姫に限らず、ノベルゲームは bad end も含めて楽しむものである。『月姫』も、凝った内容の、数多くの bad end が用意されている。
アルクルートもシエルルートも、非常に好印象なエンディングが用意されているであろうことは、話の進み方からわかった。ノーマルエンドはそうでないかもしれないが、私の中では正しい世界のエンディングのように思った。
一方で数々の bad end は大変後味の悪いものが多い。たいてい主人公の志貴君は殺されてしまうし、あっさりと殺されず、厳しい内容のものも多い。これを 3 つの好印象なエンディングを見たあとにわざわざ見に戻るのかと、終盤に差し掛かるプレイ中に思った。それはきっと、興を削ぐであろうと。
以上を鑑み、 3 つのエンディングに至る前に、そのルートで用意されていた bad end をすべて回収することにした。こう決意することで、 こなすべき物量は跳ね上がった 。休暇の終盤は特に大変だった。
休暇の効果
さて、 「月姫休暇」が終わってから、非常にパフォーマンスが良い。 私は日々のパフォーマンスを測定している。研究をする人こそ、毎日の進捗を検証し記録するべきである。少なくとも今日まで、 休暇終了後は、ほぼ毎日、私が出せる最高レベルの進捗が出ている。これは『月姫』とその休暇がもたらした凄まじい成果である。
普段より辛い体験をしているのだから、高速道路から降りたあと一般道を運転するような効果だろうか。もちろんそれもあると思う。だが最も重要なことは、達成感が得られているということである。長期休暇をとり、ビデオゲームを集中的にやると、休暇後ペースを崩してだらけるという可能性を心配していた。しかしそれは、杞憂であった。 とても素晴らしいゲームをまるまるやって、なんの憂いもなく、日常に戻れる。そしてその日常は、休暇より簡単である。
今後も、ゲームをやるために休暇をとるのがよいと思った。
『月姫』を「とても素晴らしいゲーム」と書いたのだが、以上では『月姫』のいいところを全然書いていなかった。しかしその具体的内容は、興味があって、私と親しい人との間で語り合うのが良いように思う。なのでここでは省略し、ここで記事を終わる。