数学における Academic Writing ー 私の方針 (1)

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本エントリでは、以下の 2 つについて、 私が 学んで調べる方針を書く。

  • Email のやりとりで使う英語
  • 論文で使う英語

私が 妥当 と信じる方法を書く。私は数学が専門なので、このエントリはその他の専門の人に有用かどうかはわからない。また私は英語の専門家ではないので、最終的には、自分の信頼する英語の専門家に聞くべきである。私とその人でいうことが違ったら、その人のいうことを信じた方が良いと思う。

またこのエントリは私の実践に基づいているので、その時点で既に 全く無保証 である。私の現在の英語力は、センター試験の英語(筆記)で 70 分で 190 点を毎年確保する程度である。そもそも英語が大学受験レベルに到達していない場合や、(数学ではなく)英語の専門家である場合は、以下の議論では関係ない。前者は、まず英語力を伸ばす方が先決かと思う。関先生の本は参考になる。

学習の方針

まず学ぶことから始めるしかない。いつものように結論から書くと、以下の 2 つを実行する。

  • 英語圏で出版された 定評のある Academic Writing の本を 1 冊(または 1 シリーズ)読む。
  • あとは大学受験用の英作文・英文法・語法・単語の本を学習し続ける。

本論を始める前に、まず言っておきたいのは、次の 2 つは私は信用していない。

  • 日本で出版された Academic Writing の本
  • 理系の学者が書いた Academic Writing の本、または意見

これらは、各自の経験知から来る参考程度の意見と考えるのが妥当である。

まず Academic Writing というものは、指導するのが非常に難しい。何事も、指導するためには、最低でもその 5 倍くらいの知識と知恵がなければならないものである。しかし実際は Academic Writing に特化した人間は、非常に少ない。まず英語について熟知しており、なおかつ科学論文の作法について研究している人ということになる。そういう人は東京大学にすら少ないのが現状である。数学の研究者は、数学の専門家ではあるし、何本も論文を書き、査読し、さらに編集者もやっているかもしれない。しかし、それでも Academic Writing を研究している人はいない。もちろんその「経験」は役に立つが、経験はあくまで経験である。学習者としては、やはりその筋の専門家の本を読むのが妥当であると思われる。ゆえに私のいうことも信用してはいけない(こういうエントリを書いておいていうのもなんだが…)。

余談だが、私は前期課程時代に ALESS という講義(演習かな)を受けた。講師は自分で 「私の専門は歴史学である。科学については何も知らない。しかし英語については私の方に優位性がある」 と言っていた。もちろんそんな「素人」がやった講義は、今の私に全く役に立っていない。歴史が専門なら、教養学部前期課程としては素直に歴史を教えればいいじゃないかと思う。 ALESS は開始から 10 年以上経過しているので、もう少しまともになっていてこんなレベルの講師は今では淘汰されていると信じたい。

つまり、 基本的には Academic Writing は独学するしか選択肢があるまい というのが、冷静な認識であろう。そこで英語圏で 定評のある 本を、研究の休み時間に読むことをオススメしたい。細部は異なるだろうが、重要なことはどれでも正しく書かれていると期待されるので、 1 冊(または 1 シリーズ)だけ所持しておけば十分だろう。同じ著者が書いたシリーズを読む方が、細部においても一貫性があってよろしいだろう。

英語圏で出版された Academic Writing の本の例

私が読んだのは以下のシリーズである。特にアジア向けの記述が充実しているし、内容も極めて妥当であると思う。著者はイタリアに住んでいる方のようである。

または、以下の本は定評がある。

これらを読むと、例えば Email の冒頭は “Dear Professor XXXX,” または “Dear Dr. XXXX,” がベストだとわかるし、教授に対して最も丁寧な Email の表現が使えるようになるので、失礼に当たるんじゃないかと気にする必要がない。またプレゼンでスライドの記述の間違えた時の表現とかも(シリーズの本には)載っているので、落ち着いて発表に挑める。

学べば、必要以上に恐れることはない。私がやるべきことは、数学である。

学習参考書について

思うに、 日本の英語教育で最も進んでいるのは、大学受験業界である 。私は河合塾本郷校で 1 年間、東大英語の指導を受けたが、その質の高さにはただ感心するばかりであった。講師は東大の博士課程に行った上で大学講師も経験した英語の専門家だったので、当たり前なのだが。しかも、今は 2019 年である。計算機の進歩にも後押しされて、英語の学習環境は私の受験生時代よりも極めて充実している。

私たち科学に携わる人たちが必要とする英語力は、海外で本格的な職を得るでもない限り、せいぜい英検準 1 級程度であろう。ゆえに、大学受験の最高レベルを目指せば十分であり、 英語学習に特別な本を使う必要がない 。また日本語で書かれた日本人向けの学習参考書を読むのも大事である。前述の Academic Writing の本は、もちろん英語の本としては信頼できるが、日本人がどこでどのように間違いやすく、どう理解するように指導するべきかという点では、大学受験の参考書の方が優位性がある。

基本的には英作文の本を読んで勉強すればいいのだが、定評があり、なおかつ、出版年月が最新の本を読むべきである。定評があるかどうかは前述の関先生の本のオススメに記載されているなどで、見分けることができる。これらで勉強し続けるしかあるまい。

例えば数学論文では論拠を示す際は since が基本であり because はよほどのことがない限り使わない。これは最近出版されている英作文・英文法の本を読めば普通わかるはずである。そのようなことは、やはり日本の大学受験の参考書の方が充実している。