カネが嫌いな人はどう生きていけばいいのか (1)

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この記事では、私が最近考えていることを述べる。どうやら私はカネが嫌いらしいということと、その私がどうやって生きていけばいいのかという点について、思考したことを書いていきたいと思っている。

この文章を最後まで読んでも、表題の問題の答えは出ていない。出ていないけれども、思考したことを書いていきたいと思っている。

cis さんの本を読んだ

最近 cis さんの本が発売された。資産 230 億円のトレイダーであり、短期投資のお方である。

この本自体は、著者の思考がかなり正直に書かれていると思われ、それだけでも価値がある。適当な本を読むと著者が嘘を書いていることが多い。

受験業界も同じことが起きていた。私が受験生の頃、某名門中高一貫校の教諭がたくさん参考書を出して稼いでいた。後日、その学校出身の学生と同級生になったわけだが 「あの人は授業では本とは別のことを教えている」 と言っていた。「やはりそんなものなのか」と思った。本には嘘を書いておいて、全国の受験生を騙した方が、自分の学校の生徒が受かる確率は高くなるからだ。まして理三だと、毎年 100 人程度しかいないので、もっとそうである。

だからこの本には価値がある。 cis さんはこの本で印税を受け取らないことを明示している。その本で嘘を書いて啓蒙したところで、なんら価値はないだろう。

また、 cis さんは自分の直近の課題として、いつトレーダーを辞めるかが重要であると書いている。 (以下引用は全て初版)

今の自分の最大の仕事は、自分を過信せず、適切な引退時期を判断することだともいえる。 (p.80)

こんな本で嘘を書いたところで少しも得をすることはないだろう。少々プライドを守るために嘘は書いてある可能性までは否定できないが、総合的にみて、信用できると思う。

「カネが好き」の意味

内容についてだが、この本は、投資の手法の本、資産形成の本としては、私にとっては全く無価値であった。簡単に言うと真似できないからである。ここまで熱心に値動きを見ることはできない。そんな時間があったら数学、計算機、英語、ゲーム、アニメのどれかをやる。

ただこの本を読んで重要なことがわかった。そのことを端的に言うと、次の 2 つである。

  • 私は、投資そのものには向いているようだ
  • しかし私はカネが嫌いなので、好きな人と同じようには行動できない

投資そのものに適性があるのはある程度確信がある。この本に書いてあることのほとんど同じことを、私は好きなゲーム内で実際やっている。非常に親近感を覚えた。しかし、私はどうも cis さんのようにカネが好きでないらしい。むしろ嫌いな部類に入っている。だからゲームのように真剣に取り組めないので、ある程度のところまでしかできない。

ここで「カネが好き」の定義を明らかにしておきたい。

  • ここで言う「カネが好き」とは、カネそのものが好きということである。
  • それはいわゆる「カネ好き」の意味でなくて、人間の本能に近いレベルで、普通に育った人が否応無しに誰もが持っているような類のものである。

以下、前者を具体的に言う。

cis さんはカネを増やすこと、純粋にそれだけに興味があるようだ。 カネを使うことすら否定している 。具体的には本を読んでほしいが、一部引用する。

相場をやっている限り、持っているお金の量が力になる。 (中略) タネ銭をなくしたら大きい勝負はできなくなり、大きな勝ち方もできなくなる。 (p.95)

この言葉は「普通」の意味ではない。 7 億円持っている人が 5 億円近くのマンションを購入したときに、それはありえないでしょという意味で書かれている。そして資産のうち 150 億円程度を日々のタネ銭として売買することが書かれている。

つまり カネを増やすことに純粋に興味があり、全く使うことに興味がない 。それどころか 使ってしまうとカネを増やすタネ銭が減るから、使うことはどちらかというと悪だとすら考えている

そして、 カネを減らすと体調不良になる ということも書いている。引用するのすら憚られるので、「勝ち続けた日々は、抜け毛もすごかった」 (p.142-) を読んでほしい。 230 億円もあって、体調不良になるなら辞めればいいだろと私には思える。それでも嬉々として続けるという。

これが「カネが好き」の究極系だと思った。

私はカネが好きでない

私には、以上の読んで、自分とは根本的に違うなと思うことが多かった。まず 相場によって体調を崩すことができない 。今は 2018 年の年末で、非常に株価が落ちている状況である。あわや日経平均 20,000 円割れというところまできているし、実際すぐに割れるかもしれない。いくつかの金融商品を保持しているが、含み損は明確にある。それでも体調を崩すことはできないし、株価が気になって寝られないとか全くない。 Twitter 上の個人投資家を観測しているが、株価が気になって寝られないという人はたくさんいるが、私はその気持ちが理解できない。

次に、 相場にここまで真剣になることができない 。仮に私が cis さんほどのデイトレードの才能があったとしても、値動きから目を離さずデイトレードすることはできない。実際ニューヨーク市場まで観察している個人投資家もたくさんいる。そんなことをするくらいなら 1 秒でも長く数学、計算機、英語、アニメ、ゲームのどれかに時間を割く。

それどころか 「私はカネが嫌い」 がより正しい表現である。以下ではカネが嫌いな理由を述べる。その前提として、先ほど述べた「人間の本能に近いレベルで、普通に育った人が否応無しに誰もが持っているような類のもの」についても述べる。