高校教諭の底辺 (3)

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私の通っていた高校 (3)

不合格者を生産し、悪く言い、生徒を恐怖で従わせる

高校が腐っていることは多くの生徒も認識していた。しかしそれでも高校への求心力が下がることはなかった。なぜなら、不合格者を使って生徒を脅していたからである。

現役で大学に受かりたければ、余計な勉強をせず、俺たちの授業をきき、俺たちの出した問題集だけやれ。自分で勉強したり、塾に行った人間は、必ず不合格になる。先輩方のうち、現役大学に合格した人は、全員、俺たちの授業をしっかり聞いて、俺たちの出した宿題だけやった人だ。

こうである。折に触れてこう言うことを聞かされると、ほとんどの生徒は物証から考えることをやめ、先生の言うことをひたすら聞いていた。

こう言うことは日常茶飯事である。国語の教諭は、テキストに独自の解釈を織り交ぜハチャメチャな授業をなさっていたが、授業の折を見て

昨年はこういう生徒が落ちました(笑)。

ような話をなさった。この方は独身男性だったが、ここまで自己愛が深く性格が悪いと納得のいくことである。また英語の教諭は

先輩方で、超難関大学に受かった人は、宿題をこなし、授業を大切にする人でした。

勉強ができてもダメだ、人間性を磨け。俺たちの言うことを聞け。

といった具合である。今から考えれば、あの学校で起こっていたことは、実証を無視して精神論に走っているので、洗脳や新興宗教か何かではないかとはっきり思う。攻撃的なものになると、地理担当の教諭から

お前が受かったって、俺たち嬉しくない。

と言われた。この人は生徒指導担当であり、保護者会での話が長く、何かあれば生徒を不用意に疑い、評判が悪いことで有名だったが、不適切な言動に対するお咎めは全くないようであった。

私の場合

当然私が不合格になった後、教諭たちは私のことを悪く言っていた。河合塾経由で伝わってきた。なんでも、河合塾のスタッフと高校の教諭が面会した時に、英語の教諭が私の悪口を言っていたらしい。「俺たちの授業を聞かなかったことを反省したのでしょうか」と言っていたそうだ。また、実家経由でも、私のことを悪く言いふらしていることは伝わってきた。実際は、学校に忠誠を誓わない生徒は不合格になるように、一生懸命勉強の邪魔をしているだけなのに。

東京にいる私にまで複数の手段で伝わってくるとなると、高校内ではどれほどスケープゴートにされていたのか想像に余る。私の知らないところでも相当言いふらしていたのは間違いなさそうである。それほどまでに、 私が東大に不合格になったことは、高校にとっては都合の良い、望ましいことであった

しかし、私が翌年理科三類に合格したら、私を叩くのはピタッと止んだようだった。私をサンドバックにして「俺たちの授業を聞かないと落ちる」と言うよりも「我が校から理科三類に合格者が出た」と言った方が得だと判断したらしい。ましてや「その人を落とした高校」となると、求心力が高まるどころか、恥ずかしい地位になってしまう。すなわち、プライドを捨てて、私を「自分たちの実績」とカウントすることにしたようだ。どれほど恥ずかしい行動だろうかと思う。しかし高校というのは 3 年単位で顧客が入れ替わる職業だから、手のひら返しをしてダブルスタンダードとしても、彼らにとっては恥ずかしいことではないのかもしれない。

しかし、生徒の保護者は騙せないようで、理科一類不合格→理科三類合格の経緯を見て、やっぱりあの高校はダメだ、生徒を潰すんだ、という認識は広まったようだった。事実は、隠蔽できない。やがて明るみになる。

ここまで書けばもういいだろうけれども一言述べる。私は高校の先生ではないけれども、生徒とは、教諭が偉くなるための道具ではないことはわかる。生徒が高校卒業以降、それぞれの人生を歩むために、高校の教育というものがあるのは自明のことである。不合格者を自分たちの求心力のダシにするなど、教諭としてあってはならないことだ。しかしそれでも伝統的に続いているのは、田舎の閉鎖性に魔が差しているからであろう。

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