2017 年 7 月 6 日 計算数学出席クイズの解答・解説

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問題

2017年4月から放送中のTVアニメ『Re:CREATORS』で、被造物の様々な作品を横断して作る、アルタイルを閉じ込めて倒すためにメテオラが考案したものを何という? カタカナで入力せよ。

解答

ケージ

解説

難易度 ★5

今学期の問題としてはもちろん、今までの過去問の中でも、最高難易度の問題の 1 つでしょう。

想定解法

難しさはどこにあるか

この問題は今まで出題した中でも特殊な問題です。 なぜかというと、 問題文の意味をわかるために、作品の概要を理解する 必要があるからです。

今までの出題においては、作品の内容を知らなくても、解答に至るように心がけてきました。検索能力を競っているわけですから、内容を知らないとわからない問題は、負担が大きすぎるだろうと思ったからです。しかし、今回はその不文律を破ることにしました。

ゆえに、作品の内容を理解していないと問題文の意味がわからない、解答を見ても解答だと気づかず素通りしてしまうという可能性があります。

基本的に、調べ物をする際には、わからない内容があったら、まずそれを調べると思います。今回はそれを期待していました。

具体的な手順

以下では、解くのに必要な作品の概要を掲げます。

  • 必要な内容
    • 『Re:CREATORS』では、現実世界に、フィクションの登場人物が現界し、彼女らがバトルする。
    • 被造物 とは、現界したフィクションの登場人物のことを指す。その作者を 創造主 という。
    • メテオラが「味方側」、アルタイルは「敵側」である。
  • あったほうがいい内容
    • 対象となるフィクション作品は、たくさんある。バラバラの作品から、バラバラの登場人物が現界している。
    • 被造物は、創造主が作品の内容を変更することにより、新たな力を得ることができる。ただし、そのためには、大衆の承認が必要である。つまり作品の内容が消費者に受け入れられないといけない。

ここまでわかると、問題文の意味がわかると思います。

  • 「被造物の様々な作品を横断して作る」とは、味方側にいるキャラクターが登場する作品をコラボさせて、味方側に有利な物語を作ろうとしている、ということである。
  • 「もの」とは、武器のことではなく、抽象的な物語や、舞台や、空間のことを指している。

この理解に到達すると、あとは豊富なヒントを使って該当箇所に到達するだけです。 一応ヒントと思われる内容を列挙しておきます。このうち 1 つか 2 つがわかれば次のステップに進めます。

  • メテオラが考案しているのだから、メテオラのセリフの中に解答がある。
  • アルタイルの名前が判明するのが、そもそも 8 話。だから 8 話以降にしか解答はない。
  • 公式のストーリーを読むと、「そこでメテオラたちは、設定を改変した上で、観客に承認させる作戦を思いつくのだが──」とある。これが問題文で述べられている場面である。ちなみに出題時は 13 話までしか放送されていない上に 13 話は総集編なので、これを探すのは難しくはない。
  • 「閉じ込める」がキーワードだろう。(ここまで勘がいいことは想定していなかったが、気がついた人が多かった)

したがって、 12 話 の後半、 作戦会議をしている場面 の、 メテオラのセリフ を探せば必ず解答があると確信できます。あとは適当にセリフを書き起こしているサイトを見つけて、読んでいけば良いでしょう。

以上が想定解法になります。しかしこの解法を取れるかどうかは、一般論としてのアニメの理解度に結構依存していることが判明しています。この点はあとで述べます。

他の解法

「Re:CREATORS アルタイル メテオラ」で検索して下の方までつぶさに見るという解法を取った方もいらっしゃいました。このほうが結局早いかもしれません。

他には「鳥籠」「物語空間」まで突き止めてから、それと同じ意味の言葉を探した方がいらっしゃいました。いずれも、最終的には 12 話のセリフを調べるところに帰着するようです。

余談

試し解きと問題文のリライト

まず @sunaemon0 君に解いてもらいました。その時の問題文は以下の通り。

Re:CREATORS で、二次創作をも自身の力に変えるアルタイルを閉じ込めて倒すために、被造物たちの作品を横断して作る物語の空間を何という? カタカナで入力せよ。

この時に「空間」はやめようということになりました。 12 話であることがわかると、検索で出てしまうからだと。

受講生の方で「物語空間」と同じ意味の言葉を探すと良いということを調べ当てて解答に到達した方がいらっしゃいましたが、自分でこの部分を埋めたということでしょう。

すなえもん君は 1 話だけ見ていたそうです。

さて次に、穂坂さんに解いてもらいました。

2017年4月から放送されているTVアニメ『Re:CREATORS』で、宿敵・アルタイルを閉じ込めて倒すために考案された、被造物の作品を横断して作る物語の装置を何という? カタカナで入力せよ。

穂坂さんは結構はまりました。その主な理由は、「装置」だと、何か武器のような、実際に存在するものを答えるように思われたからです。 抽象的な「もの」 を答えることがはっきりするように問題文を変更することが決まりました。

また、問題の意図が「作品の概略をまず調べる」であることをはっきりさせるために、問題自体の難易度は意図的に下げることにしました。例えば「メテオラが考案した」として、より調べやすくするようにしました。

ただし「閉じ込める」だけでははっきりしすぎているので「閉じ込めて倒す」にして少しぼかしました。この部分はキーワードとして使ってもらうことを想定せず、 答えの「ケージ」を見た時に、それが答えであるとはっきり確信してもらう ようにしたかった。実際このヒントはうまくいっており、「鳥籠」とイコールである単語を探すところまで突き止め確信を持って正解を探した方がいらっしゃいました。

何を知っていると、理解しやすくなり、有利になるか

さて、以下では、何を知っているとこの問題文を理解するスピードが上がり、解きやすくなるのかということを検討したいと思います。 しかし、実証に基づいた考察ではありません。わずかな例を見て、多分これと私が思うものを述べます。

まず、当たり前のことですが、作品を継続的に見ている人は必ず有利です。 1 位の TA は作品を見ていたので即答だったようです。計算機がトラブルを起こしている受講生を助けていましたが、それでも 1 位でした。仮に覚えていなくても、 12 話に該当シーンがあることは覚えているはずなので、そこを調べようとすぐにわかるはずです。

次に有利なのが、作品を 1 話でも見たことがある、または、概略は知っているというパターンです。この場合は前提知識を知っているので、問題文の意味がわかります。公式サイトのストーリーのページを見て、該当話数を確定、以降は想定解法に合流するでしょう。

作品を見ていると有利なのは当たり前なので、以下では、作品を見ていない場合にどうなるかを場合分けして検討します。

作品を見ていない場合にポイントとなるのが、おそらくですが、

  • 対象となるフィクション作品は、たくさんある。バラバラの作品から、バラバラの登場人物が現界している。

という部分です。これをいかに早く実感できるかがポイントになります。ここの理解のスピードが早いと、

  • 被造物は、創造主が作品の内容を変更することにより、新たな力を得ることができる。ただし、そのためには、大衆の承認が必要である。つまり作品の内容が消費者に受け入れられないといけない。
  • 「被造物の様々な作品を横断して作る」とは、味方側にいるキャラクターが登場する作品をコラボさせて、味方側に有利な物語を作ろうとしている、ということである。
  • 「もの」とは、武器のことではなく、抽象的な物語や、舞台や、空間のことを指している。

のスピードも早いからです。

そのためには、 あらかじめ似た作品に触れており、類似の構造を理解している ことがポイントとなると思われます。私の個人的な意見ですが、人気作品で類似の構造を持っているものを掲げます。例えば『Fate』シリーズだと思います。英霊をサーヴァントとして召喚して戦い、本来の歴史では混じり合うことがなかった人たちが戦うという構造は、理解の助けになるでしょう。他にも、『シノアリス』は近いと思われます。こちらは有名な物語から登場人物が割とそのまま出てきています。仮に紆余曲折あったとしても、想定解法からは大きくは外れないでしょう。

受講生のコメントより

今日は実習日誌からコメントを抜粋して、反応したいと思います。

出席クイズ最終問題はむずかった。

確かに難しかったですね。

・今回のクイズは抽象度が高く難しかった. 答える方も大変だが、作る方も大変そうだと思いました

そうですね。今回は意外な解答方針がなく、細かいところまで調整しきったかなと思います。

今日のクイズは問題文を素直に打ち込む分いつもよりむしろ簡単かなと感じました. 今期唯一見ていたアニメはサクラクエストだったのですが残念ながら出題されませんでした.

キーワードを打ち込んで見ていった方が、人によっては早かったかもしれません。今日の問題は、作品の内容を調べるところがトリッキーですが、それ以外は「基本的な手筋を連続で使う」で解けます。将棋のトッププレイヤーである羽生さんは、基本を連続で使うのが難しいと次の本で述べています。

『サクラクエスト』は出題されませんでしたね。仮に出題すると、ピーエーワークスに強いある TA さんが即答するのはわかっていましたが、結局お蔵入りでした。

「物語空間」、というワードは先に見つけてしまい、そのカタカナ訳では、と当たりをつけて探したのですが、その当てが外れて時間がかかったイメージです。

惜しいですね。「鳥籠」の方を先に見つけていればドンピシャでその解法で正解にたどり着けました。なかなか良いと思いますが、少し運が悪かったですね。

最後の出席チャレンジは案の定タイムオーバーで笑いが止まらなかった。

これは相当難しかったし、作品の理解力が大事なので、ちょっと特殊でしたね。ともあれお疲れ様でした。

QMA(出席クイズ)では優勝することができて嬉しかったです。

おめでとうございます。

出席クイズはなんか早くできたが、総合成績は特に良くはなかった。

毎回安定して上位に入るのが鍵です。アニメの知識も重要ですが、結局は素早い検索です。

・QMA では全体的に「登場人物の台詞を調べる」ことが足りていなかったな、ということを最後の問題をやってみて思いました。

難易度が高くなると、この手の問題が多くなりますね。今年の受講生は、セリフの取捨選択や検索が非常にうまかった印象です。

最後に

皆さん最後までお疲れ様でした。今学期のクイズは例年より相当難しかったはずですが、受講生のレベルが高くて、ついてこれる人が多かったようです。試し解きの穂坂さんも感心するようなレベルでした。

私の家でインターネット回線が引かれたのは、私が小学 6 年生の頃でした。当時は ADSL の時代で、ブロードバンドという言葉が出始めた時代でした。受講生のみなさんの多くは私より 8 歳ほど年下なので、物心着く頃にはインターネットに触れていた方も多いことでしょう。そういう人たちにとってインターネット検索は、私たちが考えるよりも身近なものなのかもしれません。

総合 1 位の方は普段アニメを見ていない方、 2 位の方は少しアニメを見ている方だったと思いますが、この 2 人のインターネット検索能力は目を見張るものがありました。惜しくも入賞できなかった方も、この平均レベルでよく頑張ったと思います。検索能力の高さには自信を持っていいと思います。

新たなる世代を祝し、この辺で解説を終わります。また計算数学 II でお目にかかりましょう。

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