「優秀な」人が「生き残る」

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よくある文章で、よく知られているようなことである。しかしやっぱりここにも、私の実感と違うなと思うことが書かれている。それは、うちの大学院と「素粒子論及び理論物理全般」の違いなのかもしれないが。

違うと思うところ。それは、優秀な人が博士課程に行ってポスドクになるという前提である。これがこの文章の前提となっている。

先に進めば進むほど優秀な人が生き残り、競争に生き残った人が優秀であるという。そしてキャリアパスから外れる人は競争に敗れた人である。しかし、私の実感はかなり異なっていて、頭のいい人から順番にアカデミアに見限りをつけてやめていき、先に進めば進むほど学力が低く、権力のある先生のお世話をして可愛がられている人の割合が相対的に増える。

アカデミアに見限りをつけていく人の気持ちはわかる。頭のいい人がやめていき、ロクデモナイ人が残る。就職は、先生の言うことを聞いているかどうかで決まる。先生に可愛がられている人にカネをつぎ込んで、研究成果を出す人にカネを惜しむ。そんな分野に未来があるのか、とはたと思う。ないだろそんなのと。頭のいい人ほど耐えきれなくなって辞めていく。

私の周りには、優秀な人がたくさんいたが、その人たちは辞めて行く(行った)。今度博士課程を修了した時点でアカデミアから足を洗う人も含めて。たくさんカネが欲しいとか、敗者になったからと言う理由で辞めた人は見当たらないので、やっぱり冒頭の文章とは実感は異なる。

うちの研究科に進学する時点で、もともとがっぽりお給料が欲しいと思っている人はいないと思う。馬鹿馬鹿しいと思うけれども節目節目で試験をして、とんでもない人を地道に排除していけば、全員ではないにしても、優秀な人のうち、残る選択をする人は増えるように思う。優秀な人は、優秀な人に惹かれるからだ。自己アピールの技術が上手い人を優先的に選ぶようにしている今のシステムも、優秀な人が残るのを阻害しているように思う。

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