出席クイズ「出題のコツ」

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蛇足ながら、どのような方針で出題をしているかを書きます。

過去問は1人で作ってきましたし、今でもスタッフは私 1 人だけです。しんどいです。

TA の後継者不足が指摘されています。出題のコツを共有しておきたいと思います。

クイズとして最低限みたすべき条件

解答の裏が取れる、客観的な出題

解釈によって解答が変わる問題はあってはなりません。できるだけ公式資料や作品本編にはっきりとした根拠があることが望ましいです。これは、他の人が問題をチェックすることでクリアできます。

アニメ/ゲーム・芸能・スポーツを出題する際に心がけたいこと

よく知っている人がすぐわかる

基本的に、その作品に欠かさず触れていれば絶対わかるという事項から出題したいと思っています。時々「毎週見ているけどわからない」と指摘が受講生からくることがあります。そういうときは反省しています。

作品が好きなのにわからないというのは、悲しい気持ちになるかと思います。ゆえに、クイズとして、よくありません。 一般論ですが、クイズは出題者が少し易しいと思うくらいがちょうど良いことが多いです。 また、直接出てこない事項から出題することは、場合によりけりですが、基本的にはなしでいきたいと思っています。作中で描写があったり、毎回のように描写・言及されているようなことから出題するのが基本となります。

ネタバレを極力しない

いうまでもないことです。しかし、どこからがネタバレでどこから先がネタバレでないのかは最終的に個人の主観によります。できれば、作品を見ている人同士でチェックするのが望ましいでしょう。しかし良心的に作品を見て作問する限りはほとんど問題になりません。

全く答えを知らない人もやって意味のあるクイズが望ましい

8 割の受講生は、そもそも作品を知らないという前提で問題を作成します。皆が楽しめるようにするには、 「なんかよくわからないけど、不毛なクイズをただ解きました」 という感想を出させないための、がっかりさせない工夫が必要となります。

コツとしては、

  1. 答えの単語自体は知っている(推測がつく)、または、
  2. 答えを聞いてなるほどと思える、または、
  3. 答えを検索する過程で教訓が得られる

ということを心がけると良いでしょう。

例を挙げないとどうしようもないので、例を挙げます。しかし、一応大学の実習資料集なので、いろいろな問題を避けるために、ぼかしながら書きます。

1:「答えの単語自体は知っている」

答えの単語は、作品中で出てくる固有名詞よりも、一般名詞や現実世界の固有名詞のほうが良いでしょう。例えば、

  • 問題「地球に戦争を仕掛ける惑星は?」答え「火星」

ならば、全く問題ないでしょう。しかし「火星は、作中で何と呼ばれる?」だと、答えを検索して入力するだけの問題になります。もう1つ例を挙げると、近年は舞台となった都市を公開する作品も多いので、「舞台となっているのは○○市?」はよく使います。最近では「衣料品チェーンは?」という出題もしました。その衣料品チェーンは日本最大手で、普段からよく聞くだろうと思ったからです。

2:「答えを聞いてなるほどと思える」

作品によっては、どうしても「作中固有の内容」から出題する場合があります。こういうときは、全く作品を知らない人によく配慮する必要があります。作中固有の内容は、知らない人にとってはまさに他人事。「生きていくうえで知る価値がない些末な検索しただけで、ただ答えを知っている人が自己満足しているだけで、関係ない俺はそれに付き合わされた」というネガティブな感想を封印する仕掛けが重要です。ここでは、問題文に布石を打っておくのがポイントになります。

簡単な例でいくと、

  • 問題「〜〜〜が好きな調味料は? カタカナで入力せよ」答え「マヨネーズ」

があります。これを「〜〜〜が好きな食べ物は? カタカナで入力せよ」とするだけでも解が定まります。調味料とすることで、カタカナで表される調味料を想定しながら検索するので、そこで答えを見たときに納得がいきます。あるいは、勘が良いと答えにいきなり推測がつくかもしれません。しかしここが単に「食べ物」ですと、食べ物にはほぼ無限個の可能性があるので、作品の設定を検索するだけの問題と見られるかもしれません。「あのキャラはメロンパンが好きで、あのキャラはどら焼きが好きで、それとなんにも変わらない、瑣末な…」と思われるかもしれません。布石を問題文に打つことで、こういうネガティブな感情を減らすことができます。はい、確かに本質的には何も変わりません。しかし、問題を解く側から見れば、体感に差が出るでしょう。

「答えを聞いてなるほどと思える」の要素は、特に難しい問題を作る際は心がけたいところです。

  • 問題「〜〜〜、魂を込めた声が意味を宿す力は?」答え「創声力」
  • 問題「〜〜〜が、花の名前のついた魔法を使う際に叫ぶ掛け声は?」答え「咲き誇れ / 綻べ」

これらの問題は、〜〜〜の内容から解答が定まるのですが、下線部を書くことで解答に納得がいくようにしています(納得するかどうかは人によるでしょうけども)。このテクニックは、一般のクイズでも、難しいクイズの敷居を下げるときによく使われるようです。

3:「答えを検索する過程で教訓が得られる」

「教訓」は大げさですが、解いて意味があったと思えるということです。これは出席クイズ特有の要素ですがここで述べます。

  • 例:問題「(略)」答え「晴風」

ここで「晴風」の読みを答えさせることにしました。この問題では「はれかぜ」が正解でしたが、案の定「はるかぜ」という誤答がたくさん出ました。固有名詞をストレートに出題しても、読みをついつい間違えてしまう。その過程で、答えにたどり着いても読みが非自明である場合があるということを教訓として得られます。読み方だけに限りません。例えば検索方法を工夫する必要があったり、簡単な抜け道があったりする。こういう要素があれば、作中固有の内容をを出題してもよいかもしれません。

以上は慣れないと難しいように思います。私も昔クイズを作っていました。しかし、こういうことに気を配れるようになったのは 3 年くらい経った後だったように思います。ですから最初はあまり気にせず作って、他の人の目線からチェックを受けるようにして、必要があれば改善する、というプロセスが望ましいのではないでしょうか。

出席クイズ固有の条件

安易な検索方法・解答戦略を封印する

例えば 1 桁の数字を解答させる問題は、順番に 0 から 9 まで入力することで正解にたどり着きます。アルファベット大文字 1 文字でしたら、 A から Z まで 26 文字入力することで正解にたどり着きます。重要なのは、この戦略は問題文を無視して成立するということです。出題する以上、問題の解答を正攻法で検索するよりも全部入力するほうが速いということがないようにする必要はあるでしょう。

出席クイズをやっていくうちにわかったことがあります。 Wikipedia には注意する必要があります。普通に問題を作ると、作品名で Wikipedia の該当項目を引き、上から読んで解答するという戦略を取られます。この方法が一概に悪いわけではありません。しかし、過去の実習では Wikipedia ではとても素早く解答が出せるのに、Wikipedia に載っていない問題が出たら途端に何もできなくなった受講生もいました。 Wikipedia で解答を出す問題を出しすぎ、情報検索の幅を狭めていたのだと、今でも反省しています。ですから、「作品名で Wikipedia の該当項目を引き、上から読んで解答する」というのをどこまで封じられるかが、この出席クイズでは重要です。

この要素をクリアするためには、 Wikipedia に載っていない要素から出題するのが簡単です。しかし上記の「よく知っている人がすぐわかる」はもっと確実にクリアする必要があります。基本的で、かつ、Wikipedia に載っていない(または見わけづらい)要素ということになると、なかなか難しいです。

これには「クリア方法の公式」があるわけではありません。例えば、作品の絵として必ず描写されているが、Wikipedia には言及がない要素というのもよいかもしれません。Wikipedia には版権絵は載せられないことを突いています。例えば、Wikipedia には読み方が書いていないが、公式サイトには読み方が書いてあるというのもよいかもしれません。 Wikipedia には書いてないが、公式サイト or ファンサイト or 他のネット事典には書いてあるというのもクリアしたことになるでしょう。

しかし、上記の要素は絶対的なものではありません。学期のはじめは、あえてよくやります。また、少しの工夫でうまくいくようになるかもしれません。ですから「 Wikipedia によくみれば書いてあるからボツ」ではなく、面白そうだったら手を加えれば出題できるかもと思うのが大事です。大事なのは出題のアイデアです。

想定解法は妥当か

(執筆中) とりあえず気にせず。他の人が問題をチェックすることでクリアできます。